「大学職員の仕事内容は?-国際系編-」と題して、大学の国際系の業務内容を紹介します。
大学には様々な国際系の業務があります。
本学では主に、研究者支援系の国際連携課、そして学生支援系の国際支援課の二つにわかれます。(呼び方は大学によってまちまちであると思います。)
この記事でを読んでわかること!
・国際連携課(研究者支援系)の業務内容がわかる
・国際支援課(学生支援系)の業務内容がわかる
・国際系の業務に向いているタイプがわかる
Contents
国際系(外国人研究者支援・国際連携室の業務)

まずは、国際連携室や、外国人研究者の支援に関する業務について説明します。
外国人研究者等の受入れ関係の手続き
客員研究員などの受入れにあたって、受入許可証や査証発給の際に必要な招へい状の発行などを主に取り扱います。
実際に日本に入国してくる際には査証が必要になりますが、その発給に係る手続きは学部の総務係が行ったりしているので、必要な業務を分担して行います。
外国からの来訪者の接遇
海外の協定大学や、大使館などからお客様が来られる際、国際連携課が主に窓口となって対応します。玄関でお迎えをしたり、学長のスケジュールを確認したり、あらかじめ来られるお客様の国と本学のの交流状況を手持ち書類として作成したり、実際に学長室に入り、懇談メモを作成、それを大学ウェブサイトに公開するまでが一連の流れとなります。
英語で会話されることも多いので、英語ができる方がやはり配属となることが多いですね。
外国の大学との学術交流協定及び学生交流協定に関すること
大学は海外各地の大学と交流協定を結び、研究者や学生を行き来させています。
交流協定は多い大学では200近く締結しているところもあり、大学の国際化の指標のひとつとなっています。
国際連携課では、その協定原本を管理したり、相手方大学の担当者と連絡をとりあったり、時には締結のために学長などと一緒に海外出張に行ったりすることもあります。
国際シンポジウム・セミナーのイベントの企画立案及び実施
大学主催の国際イベントを企画し、運営を行います。
これも大学の国際化の指標の一つになっているため、どんなイベント開催するかのアイディアを出し合い、運営までの業務をこなしています。
国際共同研究等に係る各種助成事業等の申請
主に、JSPSとよばれる日本学術振興会が取り扱う国際系の助成事業の申請処理に係る業務です。
窓口となって、JSPS事業の広報をしたり、申請手続きを行います。
国際支援課(留学生支援・日本人学生の留学関係)

次に、留学生支援・日本人学生の留学の業務内容について説明します。
日本人学生の派遣・短期留学生の受入れ
大学の協定大学に行く学生の派遣/から来る学生の受入れに関する業務を行います。
派遣大学に行く場合は、大学内での推薦事務や、大学の窓口となって相手方大学の担当者と連絡調整を行います。
留学期間中の派遣学生のトラブルや相談窓口にもなっていて、学生としては心強い支えになっていることもあるようですね。
派遣大学から来る場合は、こちらも協定大学から推薦があった際に選抜をしたり、または大学の窓口として相手方大学と調整したり、学生本人と直接査証や渡航に関する案内、寮の手配など、こまごまとした作業を行っています。
派遣学生(日本人及び短期留学生)の奨学金
大学の協定大学に行く学生の派遣/から来る学生の受入れの際に、奨学金が申請・受給できる場合がありますが、その際の申請や推薦事務、支給手続きなど、様々な手続きを行います。
留学期間が終われば、留学期間終了報告書を作成し、奨学団体に送付する義務がある場合がありますので、適宜学生に依頼、回収作業をしたりします。
外国人留学生の奨学金
大学に在籍する外国人留学生の奨学金事務を行います。
具体的には、奨学団体から推薦依頼があった後、学生へ周知、推薦受付、委員会による選抜、書類をとりまとめて奨学団体へ送付、結果通知、学生へ通知、採用となった場合は支給手続きを行う流れとなります。
奨学金団体によって、様々な対象者の設定や、制約(他の団体から奨学金を受給していないこと、等)があるので、それをチェックし、あてはまる学生を推薦しなければならないので、しっかりと応募要項などを読み込み、場合によっては奨学団体に問い合わせることもあります。
外国人留学生の生活支援
外国人留学生は不慣れな日本での生活のため、様々な困難やトラブルにあうことが多いです。
そのため、特に新入生に対してはオリエンテーションを実施し、しっかりと日本での生活のルールや守らなければならないことなどについて案内します。
外国人留学生にとっての、いわゆる「なんでも屋」として相談を受けたりするなど、窓口となっていることが多くあります。
外国人留学生の就職支援
外国人留学生は卒業後、そのまま日本に定着して日本の企業に就職する場合もあります。
(むしろ、近年文部科学省は日本の労働人口が不足していることにより、外国人留学生の修直定着を推進する傾向にあります)
そのため、就職課と協力したり、留学生専用の就職カウンセラーを配置するなどして、留学生の就職支援を行っています。
外国人留学生の在留資格
在留資格は、在留する外国人にとってとても大切なもの・・・!
有効期限もあるので、それを忘れてしまったら、最悪の場合強制退去になる可能性もあります。
そうならないように、日頃から携帯するように周知したり、更新手続きなどのサポートを行います。
留学生サポーターに関すること
新しく入学した留学生には、留学生サポーターといって日本人の学生がサポートにつきます。
留学生サポーターは主に、日本語を教えたり、日本語だらけで難しい手続きなど、一緒に付き添ってサポートしたりなど、日本語力がまだない学生の支援活動を行います。
国際支援課では、留学生サポーターの募集やマッチングをしたり、謝金の支払い手続きなどを行います。
私が思うこれまでご説明した業務に向いているタイプの方はこんな人です。
・英語が得意な人
・面倒見がいい人
・根気強い人
・外国人とコミュニケーションをとるのが好きな人
・フットワークが軽い人
留学生や研究者の中には日本語がそこまで堪能ではない方も多いため、ある程度英語でコミュニケーションがとれるほうが良いと思います。
また、留学生や研究者たちは、日本の文化やルールに不慣れなため、時には手取り足取りでサポートしてあげることもしばしば・・・。
そのため、こちら側は根気強く接していかないといけないシーンもあります。
また、入国管理局、役場、銀行、運転免許センター、警察署、病院などなど、、、各所に一緒に出向いてあれこれ説明してあげたり代行して手続きをしたりなどをしなければならないこともよくあるため、フットワークが軽いほうがよいかとおもいます。
「英語が得意で、外国人とコミュニケーションをとりたい!」という理由で国際関係業務を志望される方も多いと思いますが、実際の現場では、なかなかイメージと違って泥臭く汗をかきながらあちらこちら駆け回っていることもよくありました。
私も、始めは「国際支援課はこんなことまでしているのか・・・!」と驚きました。
普通の事務職員とは違う動きをしているような感じです。
自分の英語力に落ち込んだり、もっと勉強せねば!と気合が入ることもあるので、語学力を高めたいと本気で思う方もぜひ希望してみてください!
きっと次の異動先に行く頃には語学力が数段上がっていることに気づくはずですよ♪
まとめ

「大学職員の仕事内容は?-国際系編-」と題して、大学の主な国際系業務についてお話ししました。
「思っていた業務と違う・・・」と思ってしまった方もいるかと思いますが、ぜひ、語学力を高めたい方、国際業務に関心のある方が増えていってほしいので、希望してみていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!