大学の業務内容

大学職員の仕事内容は?-学生系編-

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「大学職員の仕事内容は?学生系編」というテーマでお話しします!

私はこれまでの大学職員としての経歴の中で、主に学生系の仕事をしていたことが多いです。

大学職員といえば、学生と関われる仕事!と思って大学へ入ってくる方々がほとんどだと思いまし、実際に私の周りでも、そういう希望をもって入職した方が多いです。

大学の花形部署、と言われるところかなと思います(勝手に決めました)。

それだけでなく、大学の学生系・学生支援系の業務は、「大学の顔」でもあると私は思います。

では、そんな「学生系・学生支援系」とひとくくりにしていますが、実際にはどのような仕事内容になっているのでしょうか。

学生系・学生支援系には主に次の5つにわけられると思います。

奨学金関係、授業料支援関係、学生サポート関係、学寮関係、就職関係

今日は、上記業務内容について説明します。

学生系・学生支援系の仕事に携わる職員は、学生との関わりも多く、学生から一番見えるところでもありますし、大学職員になったからには、支援系の業務に携わりたいという人も多いですし、実際に人気の部署でもあります。 

実際の業務内容を理解して、面接などでアピールしてもらえると嬉しいです!

この記事を読むと、次のような内容が理解できます!

・大学の学生系の業務がわかる

・学生系の業務にどんなタイプの人が向いているかわかる

場合によっては、課となっていたり、以下に書かれた業務内容が重なっている場合もあるので、とある大学の一例として読んでみてください。

 

奨学金関係

奨学金係では、主に日本学生支援機構奨学金やその他企業や団体が提供する奨学金に関する事務を行います。

日本学生支援機構(通称:JASSO)は、公式ウェブサイトによると、目的・事業概要について次のような記載があります。 

我が国の大学等において学ぶ学生等に対する適切な修学の環境を整備し、もって次代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資するとともに、国際相互理解の増進に寄与すること

引用:https://www.jasso.go.jp/about/organization/jigyougaiyou.html

 具体的には奨学金、留学生支援、学生生活支援の3つの支援事業をもって、日本の若い学生たちに奨学金を提供することにより、学びを支えようという団体です。

大学に通っていた人たちの中でも、この奨学金を借りていた人も多いかと思います。

この奨学金を借りるためには、両親の所得や学生自身の学習成績など、たくさんの要素がチェックされ、たくさんの書類提出を経て、奨学金を借りることができるかが決定されます。

その手続きの書類をチェックしたり、データ入力など、JASSOと学生の間に入って、事務を行うのがこの担当係です。 

その他、企業や団体などが提供する奨学金なども数多くありますので、周知から推薦までの一連の業務を行っています。

(具体的には、学生周知→学生からの書類受付→書類チェック(場合によっては差戻して、修正させる)→どの学生を推薦するか会議を開催して決定→推薦→成績や学習報告書の提出を義務付ける団体もあるので、その場合は学生に書かせて団体へ提出する)

 

 授業料等支援関係

この担当係では、入学料免除、授業料免除、学生保険などに関することを行います。

入学料免除

大学には、入学料を支払って入学し、講義を受けることができます。

一時期、コロナの時期にも、入学料や授業料の問題が大きく取り上げられていましたね…。

一部の学生の中には家族の家計の事情により、入学料を支払うことが難しい人もいます。

そういった学生や家族のために、入学料の免除を申請したり、徴収猶予(基本的には入学前に支払うが、入学して数か月ほど支払いが猶予される)の申請をしたりできる制度が整っています。

私の感覚では、徴収猶予のほうは申請すれば、ほとんど許可されますが、免除申請はなかなか通らないのが現状のような気がします…。

大学の予算の都合もあるので、なかなか大学側としてもやってあげたいけど財政的に難しいのが現状なのですね…。

この担当係では、学生からの申請を受け付け、書類をチェックし、大学が設定した入学料免除を許可することができる基準に沿った推薦事務を行い、学生へ結果を公表する一連の業務を行っています。

国立大学の入学料・・・282,000円

私立大学の入学料・・・約20~25万円(医歯系除く。大学によって異なる)

  

授業料免除

大学の講義は、授業料を支払って受けることができます。

納入時期は、大学によって異なりますが、国立大学では春学期は4月末、秋学期は11月末のところが一般的のようです(年間の授業料を、学期ごとに2回にわけて振り込む)。

こちらも、学生によっては支払いが難しい場合もあるので、免除申請ができる制度が設けられています。

こちらも同様に、担当係で入学料免除の際と同じような一連の事務を行っています。

国立大学の入学料・・・53万5800円/年

私立大学の入学料・・・約80~110万円(医歯系除く。大学によって異なる)/年

こちらは、大学の予算にもよりますが、私の在籍する大学では、8割くらいの学生が半額免除または全額免除となっている場合が多いようです。

授業料免除は、免除をするに値するかどうかチェックされる項目も多いので、提出する資料も多く、担当係ではかなり多くの時間を費やして、チェックしたり、差し戻したりする作業をしているようです。

 

学生保険

学生は、「学生教育研究災害傷害保険」といって、大学の授業などで事故やケガをしたときに利用できる保険があります。

学生は、入学するときにこの保険に加入することがすすめられます。

インターンシップなどに参加する前は、特にこの保険に入っていることが条件となっている場合も多いです。

この担当をする係では、保険に関する相談窓口となり、学生に案内したり、加入する際の手続きなどのサポートを行っています。 

 

就職関係

就職係では、学生の就職支援に係る企画やイベントの運営、就職相談、就職に関する分析調査や、セミナーなどの広報活動、インターンシップ、学生の就職状況調査など、就職に関する様々な事務を行っています。

最近では、大学における就職支援がとても重要視されてきているので、大学でも結構力を入れている部署の一つではないかと思います。

年度明けには、各大学で就職率を公表したりしているので、どれだけ就職率をあげていけるかが課題となっていて、それに日夜取り組んでいる係です。

  

学寮関係

こちらは学生寮がある場合に限りますが、学生寮の入退寮、寮費の徴収業務や、学寮に管理に関する業務を行っています。

大学によってはたくさんの寮を構えているところもあるので、その建物ごとに寮担当がいるところもあるようですね。

 

学生サポート関係

いわゆる、大学の「学生のなんでも屋」的なところですね!

これまでつらつらと書いてきた学生に関すること以外のすべてを担当しているようなイメージです。

一例ですが、

課外活動、大学祭、拾得物、証明書、健康診断(健康相談)、学生の表彰・処分、などなどなど…。

こういったことの相談窓口であるので、学生は困ったことがあればとりあえずここに来る、という人も多いと思います。

そのため、毎日大小様々な事故(!)、事件(!!)が舞い込んでくるため、結構賑やかに業務をしているようです。

もちろん、学生に関することを一端に引き受けていると大変なので、学部の事務窓口がある場合は、そちらにお願いする場合もあると思います。

このような関係の部署にいると、本当に毎日たくさんの情報が流れ込んでくるので(ここでは言えない・・・笑)、おもしろいといっては不謹慎ですが、驚きの連続が多いので、毎日飽きずに仕事ができていたと思います。

また、係のみんなで協力しながら業務をすすめることが多いので、チームワークがうまれやすく、とてもいい雰囲気でわいわい業務ができると思います。

 

入試関係

こちらはメインはなんといっても大学入試共通テスト及び前期日程&後期日程等の個別入学試験の運営です。

大学入試共通テスト自体は1月なのですが、8月頃から大学入試センターによる説明会が行われ、準備が始まっていきます。

大学の個別試験もそうなのですが、入試のミスは受験生への不利益、及び新聞・テレビ沙汰にもなりかねないため、大学一丸となってミス、とりこぼし等のないよう入念に準備を行っていきます。

学内での説明会をしたり、様々な資料を作成したり、試験室を手配し、協力要因を手配し、当日のあらゆるケース(今だと特にコロナの濃厚接触者対応など)に対応できるよう、準備をしていきます。

共通テストが終われば、次は願書受付、個別試験、合格発表と、進んでいきます。

入試時期が終わったかと思えば、大学によっては、入試課でオープンキャンパスを担当しているところもあるので、オープンキャンパス対応など、年中とおして忙しいイメージがあります。

自然に残業も多くなっていきますよね…。

でもこちらの部署も、一丸となって取り組んでいくので、みんなで和気あいあいと業務をこなしているような印象があります。

 

 学生系の業務に向いている人

 私が思う、学生系の業務に向いている人はこんな人です。

・周囲と協力しながら業務をすすめていくことが好きな人

・学生に対して面倒見がよく、親身になってあげられる人

・頼ってもらえることに喜びを感じる人

・親身になりすぎない人(特定の学生に肩入れしすぎない)

 学生は意外と職員の対応をひとつひとつ見ています。

その彼らの評価がひいては大学の評価につながったりする場合もあるので、学生からの相談にも嫌な顔せず向き合えるような人が向いていると思います。

また一方で、ミスが許されない業務もあるので、それにへこたれず、周囲とコミュニケーションを図りながら進めることが好きな人がいいかと思います。

 

まとめ

「大学職員の仕事内容は?学生系編」というテーマでお話ししました!

大学の学生系・学生支援系の業務をおおまかにですがご紹介しました。

学生支援の業務は「大学の顔」でもあるので、少しでも学生が学びやすく、楽しく大学生活を送れるように支援できることにやりがいを感じる、大学の花形的業務でもあるかな、と思います。

これから働くみなさんの助けになればうれしいです~。

今大学で働いているみなさんの大学ではどうですか??ぜひご自身の経験や大学の状況と比べてみてください。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

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