「大学職員の仕事内容は?教務編」という内容で大学の教務の仕事をご紹介します。
大学の教務の具体的な仕事内容は、大きく次のように分類されます。
入学・共通教育・授業履修・成績・卒業要件・正規生の成績/身分の管理・非正規生の成績/身分管理・単位互換
もちろん、これら以外にも様々な細々とした業務が、大きくわけるとこのような形になると思います。
一方で、学生支援系と教務系の仕事の違いがあるので、担当がどこになるのか、現役職員でもこのあたりの担当になっていなければ、あやふやになっている人も多々見受けられます。
今回は、教務系の業務内容と、学生支援系の違いについてお伝えできればと思います。
この記事を読むと、次の内容がわかります!
・大学の教務系の業務がわかる
・学生支援系と教務系の違いが分かる
・教務系の業務にどんなタイプの人が向いているかわかる
Contents
教務系の業務について

先ほどお伝えしたように、教務系の業務は「入学・共通教育・授業履修・成績・卒業要件・正規生の成績/身分の管理・非正規生の成績/身分管理・単位互換」などがあります。
これらの詳細な内容について、順に説明していきたいと思います。
新入生オリエンテーションの開催運営
新入生が入学すると、オリエンテーションが開催されます。
ここでは、授業履修の仕方、単位の取り方など、授業に関することに対して説明をします。
卒業要件についてもここでしっかり説明され、学生はその要件を満たすように4年間の中で計画的に授業計画をしていくよう指導されます。
これらの説明は、教務課職員からの説明ではなく、学部の先生方を通して行われます。
教務課職員はこれらの資料準備をしたり、オリエンテーションの開催準備など、運営のための様々な手配を行います。
(ちなみに本学では、この全体オリエンテーションでは概要のみを話し、具体的な内容については学部別にわかれ、そこの学部別オリエンテーションで説明しています)
学生便覧及び授業時間配当表の作成
学生便覧とは、学生が入学してから卒業するまでの間に、大学生活に必要な情報をまとめた本で、規程や卒業要件など、様々なことが書かれた大切な本です。
本学の本はかなり分厚く(5cmほど・・・)持ち運びも不便だったのですが、現在は電子化され、持ち歩かなくてもどこでも見られるようになりました。
また、時間割配当表とも呼ばれる時間割表があり、教務課では学生便覧と時間割表の作成を担当しています。
作成しているといっても、各学部の具体的な時間割(どの教員が何を担当するかなど)は学部で作成しますが、こちらについては学部事務のところでお話ししています。
また、授業や成績の評価に関して担当教員へのクレーム相談受付や、授業の休講情報の案内など、履修に関すること全般を広く扱っているので、業務はかなり幅広いです。
学年暦の作成
学年暦とは、入学式や卒業式などの大きなイベント、または各学期の試験期間など、大学の一年間のスケジュールを記載したものです。
学生だけでなく、教員、職員も、学年暦をことあるごとに確認しながら、それぞれの学部のイベントや、部課の個別のスケジュールを組んでいきます。
大体、大学のウェブサイトに掲載しているところが多いので、他の大学の年間スケジュールがどうなっているか確認するのもおもしろいですよね。
カリキュラムの作成や成績確認のための教務システムの管理
学生の授業登録や成績確認などは、教務システム上で行われます。
それだけでなく、休講のお知らせや授業担当の先生からのメッセージ、さらに奨学金や留学情報など、学業に必要な様々な情報を得たり、連絡媒体として使用もできます。
このシステムに情報を入れたり、また学生が誤った(卒業要件に必要のない)授業などをとらないようにしっかりカリキュラム設定をするのは、教務課職員のとても大切な仕事のひとつです。
教務システムに関する問合せは教務課に来るため、システムの中身や操作に詳しい職員が配置されることも多いと思います。
学位授与に関する手続き
大学では、学士、修士、博士の学位を授与しています。
学位の授与の手続きとしては、まず学部事務から卒業判定の終わった学生のリストと学長宛の手続き依頼文書が届き、その後、大学の授与者リストに記載をし、学部に学位番号と合わせて通知をします。
実際に、正本用の用紙に、学位番号を記載して、学位記を印刷作成するのは個々の学部事務担当者になりますが、間違いの内容に学位番号を割り振ったりするのは、教務課職員の仕事です。
これは、およそ2週間くらいの短い期間、しかも年度末の忙しい時期に行われるので、間違いがないようにチェックしつつ、さらに素早く作業していきます。
学生証の作成
学生が学生証を紛失した場合の再発行や、在籍期間がのびたりした場合の学生証記載内容の修正などは、教務課で行います。
新入学の時期などは、総合大学だと2000枚以上近く発行が必要になるので、時期によってはなかなか大変な作業になります。
その他教務に関することの総括
教務事務は教務課だけで行うのではもちろんなく、学部事務と協力して行います。
教務課では規程の整理をしたり、学部事務からの相談相手となったり、教務に関するリーダー的なポジションを担っています。
その総括する内容としては、例えば学士課程教育及び大学院課程教育、学生の在籍、副専攻、単位互換、教務システムの管理、履修基準・登録、授業評価の実施など、幅広い範囲に及びます。
学生支援系と教務系の違いは?

ここまで読むともうお分かりかと思いますが、学生支援系と教務系の違いは次のようにまとめることができます。
- 教務系・・・学生の履修・成績・在籍など、学習面に関すること
- 学生支援系・・・学習面に関係しない、学生生活に関わること
このようになるかと思います!
とはいっても、教務系、学生支援系と、区別して業務をすすめるのではなく、連携しながらすすめることもあるので、同じ学生部におかれていることがほとんどだと思います。
教務系の業務に向いている人
私が思う、教務系の業務に向いている人はこんな人です。
・幅広く業務をこなすのが好きな人
・規程などを細かく読み、ルールに沿った判断ができる人
・システムを触るのが好きな人
教務システムは、学生が履修登録をしたり、教員が成績入力をしたりなど、様々な人が触れるシステムです。
学生の履修はとても大事な部分なので、学生がスムーズに履修登録ができるよう、また教員もスムーズに成績登録ができるよう、あらかじめきちんと設定、チェックをしておく必要があります。
そのために、学生便覧や規程などに書かれたルールや基準に沿って、細かくシステムを設定していく必要があるので、そういう作業を苦なくできるほうがのぞましいと思います。
まとめ

「大学職員の仕事内容は?-教務系編-」というテーマでお話ししました!
大学の教務系の業務をおおまかにですがご紹介しました。
教務系と学生支援系ははじめは違いがよくわからない人もいますが、学生をどの面から支援するかによって、業務内容が異なりますね。
今働いているみなさんの大学ではどうですか??ぜひ比べてみてください。
最後までお読みいただいてありがとうございました。