こんにちは!あきです。
今日は、雨の日に読んでほしい、おすすめの小説をご紹介します。
6月は梅雨の季節ですね。
毎日雨が降って、憂鬱な気分で過ごしている方も多いかもしれません。
特に、今はコロナ禍でもあるので、自粛生活が続き、なかなか外出できず、週末でもお家の中で過ごしていることが多い方がほとんどかと思います。
そんなときは、お家でゆっくり小説を読んでみるのはいかがですか?
私は、雨の日には、しとしと降る雨の音を聞きながら、ゆっくりと小説に読みふけるのがとても好きです。
雨の音を聞いていると、小説の中の世界にグッと入り込みやすくて、より、その小説の世界観に浸りやすくなる感じます。
雨の日には、雨の雰囲気に合った、しっとりとした、少し重みのあるような、じっくり物語を味わえるような本がおすめです。
みなさんも、ぜひ参考にしてもらえればうれしいです!
Contents
雨の日に読みたい小説ランキングベスト3をご紹介!

みなさんは、「雨」にどんな印象がありますか?
雨は、小説の中では登場人物の悲しみや涙を印象的に表し、描かれていることが多いです。
雨が印象的な小説を、その見どころ、おすすめポイントとあわせてご紹介します。
【第1位】ナラタージュ

これは、2017年に嵐の松本潤さん主演、有村架純さんとの共演で映画化もされたことでも有名ですよね。
予告映像でも雨のシーンがとても印象的だったのを覚えています。
原作は島本理生さんで、2008年に発売されました。
島本さんの代表作ともいえる本だと思います。
私は島本さんの本が大好きで、この「ナラタージュ」はそのきっかけとなった本です。
島本さんの本は、恋愛をテーマに描いているのが特徴的です。
ただ一言に恋愛といっても、爽やかなものではなく…。
どちらかというと、鬱々とした、恋愛を通した人間の感情や内面の動きに焦点を当てたものが多いです。
そして、障害のある恋愛。
この「ナラタージュ」も、そういう小説のひとつです。
見どころとおすすめする理由
主人公の泉と葉山先生は、高校の先生と生徒として出会います。
2人とも傷を抱えながら、お互いの存在に救われ、そして惹かれあっていきます。
葉山先生は結婚しているのですが、2人は決して許されない、一生に一度の恋に落ちる。
この小説は、2人の関係を”究極の恋愛”として描いています。
私がこの小説を読んだのは大学生の時でした。
こんな「一生に一度の恋」というものがあるのか…と衝撃を受けた記憶があります。
そして、自分もこんな風な恋愛をしてみたいな、と率直に憧れをもったと同時に、結局は不倫なのに…という複雑な、少し気持ちの悪い感情を持ちました。
でも、大人になってからまた改めて読んでみると、不思議と理解できる部分が多くなっていると気づきました。
また、登場人物の様々な心の痛みや、優しさが溢れていることにも気づきました。
私は過去の恋愛を振り返りながら、感傷的な気持ちになって、大学生の時に初めて読んだ時とはまた違った読み方をすることができたと思います。
自分の中にある感情や経験が、昔の自分のそれと違っていたりすることを感じることができるので、そういう点でもおすすめです。
また、この本では雨が印象的に使われているシーンが多いです。
『雨が降るたび、いまもあなたを思い出す』という泉の台詞が映画のキャンペーンのときに使われていたのをご存じの方も多いと思いますが、雨は泉の心とリンクするような感じで効果的に使われています。
泉が初めて葉山先生に出会った日。泉が葉山先生に激しく感情をぶつけた日。
小説のポイントとなる場面では、いつでも雨が降っています。
物語そのものはもちろんですが、どんなシーンで雨が使われているか、そこに注目しながら読むのもおもしろいと思います。
ノスタルジックな気持ちに浸りたい時に、ぜひ読んでみてほしい作品です。
実際に読んだ人の感想
【第2位】ユージニア

ユージニアは、2005年に恩田陸さんによって発表された、推理小説です。
数十年も前にある名家で、17名が死亡した大量毒殺事件がありました。
事件は迷宮入りし、操作がなかなか進まない中、ある一人の男が事件を起こしたのは自分だ、として遺書を残して自殺。
一応の解決をしたかに見られましたが、今になって改めて調べられることになり、当時の関係者たちへのインタビューを通して、見落とされていた事件の「真実」が語られていく、という推理小説です。
語り手が回ごとに変わって、それぞれの視点から事件について語っていくという形式になっています。
人間関係のどろどろした部分や、醜い部分が多く描かれているのですが、不思議と後味が悪くなく、殺人事件を題材にしているにも関わらず、すっきりとした読後感になっています。
見どころとおすすめする理由
この本でも、雨が印象的に使われています。
それは、事件当日の日。
その日は、一日中雨が降っていました。
おそらく、その日は雨だったから事件が起こったし、晴れていたら事件は起こらなかったと思います。
犯人は、わざと雨の日を狙って事件を実行した、そう思わされるような描写が多くあります。
一家に漂う死の静寂と、それを象徴するような激しい雨。
この本の見どころは、結局この事件の真相はわからない、ということです。
恐らく、誰もがこの人が犯人だと思っている人物がいます。
それは、目の見えない緋沙子。
目が見えないということを逆手にとったのか。
もしそうならどうやってこんな凄惨な事件を起こすことができたのか。
多くの事件関係者から語られる緋沙子の狂気、そして神秘性。
そういうことから、読み進めるうちに、不安感がじわりじわりと襲ってくる感覚を味わえると思います。
そのひんやりとした感覚、生々しさは、雨の日に読むことでさらに効果的に強調してくれると思います。
私は、あまりの不安感と悲惨でリアルな描写に、雨の日の夜、一人部屋で読んでいたのですが、怖くなって実は本を閉じてしまいました。笑
雨の日の夜に読むと、ホラー映画を見ているのと同じような感覚になるので、怖いものが好きな方には、ぜひ、おすすめします!!
実際に読んだ人の感想
【第3位】羊と鋼の森

2015年に宮下奈都さんによって書かれた本です。
この小説は、2016年の本屋大賞で1位に選ばれたことでも有名です。
また、2018年に山﨑賢人さん主演で映画化されたことでも話題になりました。
ピアノの調律師という仕事を通して、仕事や周りの人々と向き合っていく、穏やかで心が温まるような物語です。
見どころとおすすめする理由
まず、自然や音楽の描写がとてもきれいです。
タイトルの「羊と鋼の森」は、ピアノのことを指しています。
ピアノの中のハンマーと、弦の鋼。
この小説では「森」と描写されたりもしますが、自然とピアノを関連付けて、表現されています。
物語自体はゆっくりと穏やかに進んでいきますが、そのきれいな描写に、すぅっと息を吸い込んで、体の中にきれいな空気を取り込みたくなるような感覚になります。
森の匂いがしそうな、透明感のある、静かで優しい文章が特徴的です。
ピアノの調律師を目指す青年が、先輩調律師やお客さんとの関わりながら、次第にピアノの調律という深い森に入り込んでいきます。
誠実に、ひたむきに仕事に取り組む姿勢に、私たち読者は、胸を打たれます。
プロとして、誇りをもって仕事をすること。
私自身、自分の仕事が周りにどういう影響を与えて、どう役立っているのか、仕事に対して立ち止まって悩んでいた時期に読んだ一冊だったので、とても心を大きく動かされたことを強く覚えています。
彼自身もそれまで生きてきた人生や音楽のことについて、仕事を通して考え、成長していきます。
その純粋さが、いろんな経験から学んで得たことを吸収し、さらに大きな力に結び付いていくのだと感じました。
私も、物事を真摯に受け止めたり、まっすぐに向き合う姿勢に共感し、この青年のようにありたいと思ったことを今でも覚えています。
しとしと雨が降る中、静かに読みたい1冊で、ぜひおすすめです。
実際に読んだ人の感想
まとめ

今日は、雨の日に読みたい小説BEST3をご紹介しました!
気になる本はありましたか?
恋愛もの、ミステリー、成長物語、とジャンルはそれぞれ異なるものですが、雨が共通して効果的に使われている作品としてご紹介しました。
私は、雨の音がとても好きで、その音を聞いているだけでとても心が落ち着いてきて、リラックスするのを感じます。
そんなときには本を読むのがおすすめ。
より集中力が高まって、小説の世界観に引き込まれやすくなります。
朝よりも夜がいいですね。
より静かですし、雰囲気も高まって、さらに本の世界を深く感じることができると思います。
今日ご紹介した本以外にも、雨が印象的な本はたくさんありますので、ぜひその点に注目して、どういった効果があるか考えながらいろんな読んでみていただきたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!